異国のお話。砂漠の乾いた湖に25年ぶりに豪雨があった。すると2日後、一滴の水もなかった湖底から小エビの大群が発生した。25年前の豪雨の際に生まれていた小エビの卵が熱砂の中であてのない雨を待っていた。「過酷な自然の下でも、生命はこのように生き続ける」と気象エッセイストの倉嶋厚さんが書いている◆佐賀県を含む九州北部地方がきのう梅雨入りした。「まだ5月なのに」である。平年より20日早く、統計開始以来2番目に早いという。一昨年は6月26日に梅雨入りし、統計史上最も遅かった。昨年は6月中旬と平年並みの梅雨入りだったが、梅雨明けが7月末と遅かった。気候変動が心配になる◆ところで、気象でよく使う「平年値」が今年は更新の年にあたる。これまでは1981~2010年の平均だったが、今月19日から、1991~2020年になる。気温はこれまでより全国的に0・1~0・5度高くなり、降水量も多くの地点で増えている◆ちなみに、梅雨入りの時期は新平年値での比較だ。本来なら、5月は過ごしやすい季節。この時期は運動会なども予定され、天気の回復を願う人も多いだろう◆雨の日があるから晴天をありがたく思い、渇水があるから雨のありがたさを感じるのだが、鉛色の空を見上げながら願う。今年はどうか「ほどほどの雨量を」と。(義)

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