ワクチン接種者や医療従事者を対象に、ランチ1食を無料提供する=佐賀市木原の馬乃米佐賀南店

 「新型コロナワクチンを接種した人はランチ1食無料」―。佐賀・福岡で飲食店を展開する「人仁」(福岡県久留米市、馬場俊充社長)が6月1日から、独自のサービスを始める。飲食業界はコロナ禍によるダメージが大きいが、感染収束の切り札とされるワクチン接種を後押しすることで、事業環境の正常化を早めたい考え。飲食事業者のワクチン接種を促す取り組みは全国的にも珍しく、日本フードサービス協会は「大手外食チェーンでもそのような動きは耳に入っていない」という。

 同社によると、サービスはワクチンを接種した人と医療従事者が対象で、県をまたぐ移動を避けるため、佐賀県内では佐賀市木原の「馬乃米佐賀南店」のみで対応する。

 ワクチン接種済証明書や医療従事者と分かる証明書を提示すれば、1人1回限り、「煮魚定食」「マグロカツと大海老フライ定食」「海鮮丼」といった千円前後のメニューが無料で楽しめる。6月30日までだが、接種状況などを考慮し延長する場合もあるという。

 人仁は飲食業やタクシー会社、魚の養殖などを手掛ける「soma group」の一員。グループではコロナ禍における地域支援の一環として、ワクチン接種のための無料送迎や、自宅療養者のための宅食サービスなどにも取り組んでいるという。

 コロナ禍で前年度の飲食事業の業績は従来の半分以下まで落ち込んだ。同社管理本部の小西公幸統括マネージャーは「ワクチンを接種し、収束を早めることが地域の回復につながる。苦しい中でも、食を通じて恩返しができれば」と話す。(大橋諒)

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