市民にワクチン接種のスケジュールを知らせる「ワクチン特別号」。予約開始は17日と案内している

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、佐賀市の医療機関で、75歳以上のワクチン接種の予約受け付けが17日から始まる。ただ、一部の医療機関では、問い合わせが相次いだことなどから「仮予約」という形で既に受け付けたところもあり、公平性を求める声が上がっている。

 「正直者が後回しにされたようで悲しい。コールセンターや佐賀市に尋ねても、きちんと説明してくれない」-。市内の50代女性はこう憤る。ワクチン接種予約の手続きを確認しようと、かかりつけの医療機関に電話したところ、既に400人近くの予約が入っており、「いつ接種できるのかは分からない」と説明されたという。女性は高齢の家族のために、カレンダーに印を付けて予約開始日を待っていた。

 佐賀市は、4月から市医師会と「5月17日受け付け開始」で調整してきた。11日の打ち合わせでも、日程通りに進めることを再度要請した。担当者は「仮予約を受け付けている医療機関が複数あることは耳にしている」とし、「スケジュールを市民にも医師会にも示しており、沿った対応をしてもらえると考えていた。日程の違いが出て申し訳ない。ワクチン確保はめどが立っており、落ち着いて接種に臨んでもらいたい」と協力を呼び掛ける。

 一方、「仮予約」という形で、接種を希望する高齢者の要望を4月末から受け付けた佐賀市の医師は、希望者数を把握しなければワクチンの注文が難しいことや、先行する市町で予約の電話が掛かりにくい状況になった点を挙げ、「スムーズな接種を行うには、事前の準備が必要だった」と説明する。希望した人には5月17日以降に再度連絡し、予約を確定させる。

 佐賀市は「かかりつけ医など個別接種で9割を接種する」ことを想定しており、医療機関は通常の診療と並行して、接種に臨むことになる。規模の小さな医療機関では、電話を受ける事務スタッフが数人という限られた人材で対応していくことにもなる。

 佐賀市の要請に従い、17日から予約を受け付ける医師の一人は、医療機関の一部で“フライング”にも見える予約があることについて「月1回など定期的に訪れる患者から、『ワクチンはどうなるんでしょうか』と尋ねられたら、かかりつけ医として、枠を押さえることもあるだろう」と推し量る。その上で「当初はワクチンが本当に届くかどうかさえ分からない中での態勢づくり。手探りは今も続いている」と、前例のない大規模ワクチン接種を市町や医療機関に丸投げする国の姿勢を批判した。(取材班)

【関連記事】

 

このエントリーをはてなブックマークに追加