クラウドファンディングで整備した流鏑馬練習用の砂地の上で、絵本「馳け巡る~ぼくのまちのやぶさめ」を手にする永松さん夫婦=江北町の「クラブ・リオ」

江北町の自然や風景を織り交ぜながら、復活した流鏑馬について描いている絵本「馳け巡る~ぼくのまちのやぶさめ」

江北町の自然や風景を織り交ぜながら、復活した流鏑馬について描いている絵本「馳け巡る~ぼくのまちのやぶさめ」

絵本が購入できるクラブ・リオのホームページのQRコード

 江北町で144年ぶりに復活した流鏑馬(やぶさめ)を紹介する絵本「馳(か)け巡る~ぼくのまちのやぶさめ~」が出来上がった。射手を務める永松良太さん(40)と妻の直子さん(46)が「流鏑馬を広く伝え残したい」との思いで制作した。歴史ある行事の魅力や復活までの経緯を、町の自然なども織り込みながら優しいタッチで描いている。

 流鏑馬は2014年、町の神社「天子社(てんししゃ)」で復活、昨年はコロナ禍で中止になった。乗馬体験などができる「クラブ・リオ」を運営する永松さん夫婦が「中止に代え、流鏑馬のために何かできないか」とクラウドファンディング(CF)を活用した絵本制作を思い立った。

 絵本はA4判、36ページで、祖父母から町の自然や歴史を学ぶ男の子が流鏑馬を復活させた話を聞き、射手を目指すというあらすじ。文章は直子さんが考え、絵とデザインは武雄市出身でロンドン在住のイラストレーター滑川(なめりかわ)和代さんに依頼。外国人にも知ってもらえるように、西九州大講師の園部ニコルさんの翻訳を添えた。

 稲刈りでカエルを狙うシロサギがいる風景や、桜並木を背景に白壁の家が並ぶ江戸時代の参道、人馬一体の勇壮な流鏑馬など、町の歴史や情景を感じ取れる絵も多い。永松さん夫婦は「復活した流鏑馬を形に残した絵本。大人になっても近くに置いてもらえる一冊になれば」と話す。

 CFでは全国の131人の協力で計238万円が集まり、絵本制作と流鏑馬の練習場の整備に活用した。夫婦の次の夢は、境内で馬を止めて的を射る今の流鏑馬を「桜並木を復活させた参道で、疾走する馬から的を射て奉納する」ことだ。

 絵本は1千部制作。2420円で、クラブ・リオのホームページで販売している。問い合わせは直子さん、電話080(4140)1803。(小野靖久)

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