「山田全自動の落語でござる」の表紙(C)TATSUMI PUBLISHING 2021.

「芝浜」の漫画の一部。所々に山田全自動さんらしい表現を織り交ぜてた(C)TATSUMI PUBLISHING 2021.

 浮世絵風の「あるあるネタ」が人気のイラストレーター・山田全自動さん=鹿島市出身=が、古典落語を漫画で表現した「山田全自動の落語でござる」を出版した。29の演目を親しみやすい漫画にしたほか、江戸時代の暮らしや職業など作品の背景についても解説するなど、落語入門書として楽しめる。

 漫画化した落語は「芝浜」「饅頭こわい」「目黒のさんま」「寿限無」など定番の29演目。「芝浜」の漫画では、魚市場の看板に「OPEN AM5:30~」と書かれていたり、主人公が店頭で「イオンより安いよ~!」と声を張っていたりと、山田さんらしく親しみやすい小ネタで独自色を織り交ぜている。

 またコラムは「知ればもっと楽しめる! 落語の世界」として、定番の登場人物や江戸時代の風俗などを解説。登場人物紹介では、与太郎を「超間抜けだけど憎めない!? 天然ボケの愛されキャラ」、大家を「ケンカの仲裁から仲人までおせっかいだけど頼れる人」とするなど、イラストやあるあるネタも添えて役回りを紹介。演目ごとに山田さんお薦めの名人やミニ解説を添えるなど、奥深い落語の世界へ誘う仕掛けもちりばめている。

 山田さんは7~8年前、CDで落語を初めて聴いたという。当時は「それほどハマらなかった」が約1年半前、カセットテープで聴いた六代目三遊亭圓生に「感動」。聴いた演目を忘れないよう、昨年夏ごろからSNSにメモを投稿し始めたところ「評判が良く、本格的に漫画にしてみようと思った」という。

 山田さんは「江戸の暮らしなど背景が分からないと理解できない演目も多いので、風俗なども解説として入れた。落語に興味はあるけど難しそうだから、と聴くのをためらっている人に、面白さや、実はそれほど難しくないことを知ってもらえたら」と語る。四六判、128ページ。税別1100円。(志垣直哉)

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