コロナ下の生活が長くなり、マスクはおしゃれの一つになっている。素材や柄に気を配り、「きょうの一枚」を選ぶ人もいる。先日の読者文芸欄には〈殿方のネクタイ選びもかくあらむ朝朝を選る手作りマスク〉(野中美佐子さん、小城市)。選者2人がいずれも一席に選んでいた◆何事も楽しむ姿勢は見習いたいが、マスク生活には難儀もする。名刺を交換すると、相手もこちらも顔にはマスク。にこやかにあいさつを交わしても、互いに目から上の部分しか見えていない◆○○会社の○○さん。もらった名刺でどこの誰かは記憶するが、再び会ってもすぐに分かる自信はない。「顔を見せて」とは言えず、マスク顔を記憶した人が増え続けている◆まあ、それもお互いさまと思えばいいとして、マスク生活の落とし穴に脱水症状があると聞く。マスクをしていると、のどの渇きを感じにくくなる一方で、マスクを外してはいけないという気持ちもあって気づかないうちに脱水症状に。感染予防は大切だが、こちらも命に関わってくる◆季節は初夏、これからは暑さとの勝負になる。ワクチン接種が進むイスラエルでは屋外でのマスク着用義務が撤廃されたが、日本の道のりはまだ遠い。どこぞの有力者のように便宜を図ってもらうわけにはいかず、水分補給を怠らないで待つとしよう。(知)

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