面談した佐賀県議会の藤木卓一郎議長(右から2人目)とJR九州の青柳俊彦社長(同3人目)=県議会棟

 JR九州の青柳俊彦社長は11日、佐賀県議会で藤木卓一郎議長と面談し、九州新幹線長崎ルート新鳥栖-武雄温泉をフル規格で整備した場合に「通勤快速」など並行在来線の充実を求める声があることを巡り「JRが(新幹線と在来線の)両方を持てというのはおかしい話」とした自身の発言に関し「県民、関係者の不安につながったことをおわびする」と陳謝した。

 青柳社長は4月の記者会見で、フル規格を推進する国会議員らが並行在来線を経営分離せず、通勤快速を導入する主張をしていることへの見解を問われ、「在来線の需要の大半を新幹線が担うことになった場合、2路線を維持するだけの収入があればいいが、JRが両方持てというのは整備新幹線のルールと違う」と発言していた。

 非公開の面談後、両者が取材に応じた。藤木議長は「在来線の維持は県民の切なる願い。一般論といえども、軽率な発言は到底容認できない」と苦言を呈したという。青柳社長は「通勤快速という具体的施策を会見の場で議論するつもりはなく、私論を述べたわけではない。私個人の考えと思われ、心配をかけたことに対し陳謝した」と述べた。

 藤木議長は青柳社長に対し「並行在来線はJR九州において経営を維持すべき」と求めたことを明かした。JR九州は、フル規格での整備にめどを付けることが並行在来線の議論を始める前提になるとの主張をしている。藤木議長は記者団に「整備方式が決まってから在来線の議論をするのではなく、在来線の議論が先にあってから整備方式の議論だ」と強調した。

 面談は、青柳社長が藤木氏の議長就任の祝いのあいさつとして県議会棟を訪問した。長崎ルート整備に関する県議会の議論に対して謝辞を述べ、引き続きの議論を求めたという。(栗林賢)

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