織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人は戦国時代に生まれ、少なからぬ因縁がある◆1800年代生まれのこの3人も共通点が多い。「ナイチンゲール」「アンリ・デュナン」と佐賀七賢人の一人「佐野常民」である。英国の看護師ナイチンゲールは1854年のクリミア戦争で傷病兵を看護。この献身性に触発されたデュナンは1859年の「ソルフェリーノの戦い」で傷ついた兵士を敵味方の区別なく助け、これが赤十字創設につながった。佐野常民は訪欧の際にデュナンの功績を知り、帰国後の1877年に起きた西南戦争で負傷者を救護しようと、現在の日本赤十字社につながる博愛社を設立した◆ナイチンゲール研究を続けてきた元看護師の久間(ひさま)圭子さん(佐賀市)はそうした経緯を踏まえ、「ナイチンゲールこそ赤十字の母」とたたえる◆5月8日はデュナンの誕生日で「世界赤十字デー」だった。きょう12日はナイチンゲールの誕生日で「看護の日」。野望に燃えた信長、秀吉、家康の3人は時に引き合い、反発する磁石のような関係と感じる。対してナイチンゲール、デュナン、佐野常民は「人類愛」という見えない糸でつながっていると思える。コロナ禍の最前線で頑張ってくれている看護師さんたちが持つ糸も、たどればナイチンゲールにつながる気がする◆いつもありがとう。(義)

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