伊万里湾一帯が一望できるあぐり山の山頂付近に残る聴音壕(写真中下)と監視哨(左下)=伊万里市波多津町(ドローンで空撮)

伊万里湾一帯が一望できるあぐり山の山頂付近に残る聴音壕(写真右下)と監視哨(左下)=伊万里市波多津町(ドローンで空撮)

 伊万里市の北部にある見晴らしのよいあぐり山(標高192メートル)の山頂付近に、人が入れる程の丸い穴がぽっかりとあいている。

 太平洋戦争中、中に入って敵機の音などを聞くために掘られた聴音壕(ちょうおんごう)と呼ばれる施設で、風に遮られることなく爆音を聞き取ることができたという。聴音壕のすぐ近くには、上空を監視した小さな四角いれんが造りの監視哨(かんししょう)も残っている。

 さらに歴史をさかのぼると、中世期にこの一帯を支配していた松浦党が、海上の異変を伝えるのろしを上げる場所として利用していたという。

 小さな戦争遺跡は、伊万里湾一帯がぐるりと見渡せる風光明媚(めいび)な場所で、ひっそりと歴史を語り継いでいる。(山田宏一郎)

あぐり山山頂に残る聴音壕と監視哨
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