著名人のがん罹患(りかん)公表はすっかりめずらしくなくなりました。先日も人気お笑いタレントの方が初期のぼうこうがんで治療を受けたことを公表していましたね。この方はかなりの愛煙家であることも有名で、公表直後は喫煙をやめないとおっしゃっていましたが、その後医師や周囲の方から忠告を受け禁煙を決意されたということでした。

 日本の研究では、がんになった人のうち男性で30%、女性で5%はたばこが原因だと考えられています。そしてたばことの関連が明らか(たばこをなくすことで病気の発生を減らす、または遅らせることができる)となっているがん腫は10種類ほどありますが、泌尿器系のがんではぼうこうがんが挙げられています。つまり、たばこを吸い続けることによってぼうこうがんにかかりやすくなる、治療をしても再発しやすくなるというリスクがあります。また、もとのぼうこうがんの再発や転移とは別に、新たに発生するがん(二次がんといいます)の原因となることも明らかになっていますし、治療効果が低下することも懸念されています。

 たばこを吸っていてもがんやその他の病気にならないこともありますし、100歳を過ぎてもなお1日数本のたばこをたしなむことを健康法とする方もおられますが、あくまでも少数派と考えるべきでしょう。

 嗜好(しこう)品や生活習慣をどうするかは最終的には個々の判断になりますが、たばこについては何歳でやめても遅すぎるということはないと言われますし、また喫煙はコロナウイルス感染症の重症化のリスク因子にもなっています。迷っている方がおられましたら、ぜひ禁煙を前向きに検討していただきたいと思います。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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