佐賀市大和町の官人橋付近で「川上峡春まつり」が開かれている◆薫風に泳ぐ「こいのぼり」の群れを見ながら思う。「揺らされるものがあって初めて、風は形として見える」のだと。時に厳しい向かい風もあるだろうが、それも成長の糧◆児童精神科医の佐々木正美さんは『育てたように子は育つ』にこう記す。「私はこんな子どもを持ちたい。いつもほどよい努力をしている子を。しかし、決して努力の程度や結果は問わないでやりたいと思う。努力をしてよい結果が出れば最高だが、たいして努力をしないでもよい結果に恵まれるような幸運な子どもよりも、努力をしてもよい結果が得られない子どものそばにいられることに、本当に大きな幸福を感じていることを十分に伝えてやれる親や大人でいたい」◆至言と思う。勝負の世界は努力した者同士の対決だから、努力の幅の「相対評価」。頑張っても負けることはある。でも、努力したこと自体は「絶対評価」として認めてあげよう。きのうより半歩でも先に進んでいるはずだ。先の「結果」より努力の「今」に寄り添いたい◆10年以上前、息子2人のこいのぼりをこの春まつりに寄付した。今も泳いでいるだろうか。どうか吹く風が、前に進む足をそっと後押ししてくれるような優しい風であることを祈る。きょう5日は「こどもの日」。(義)

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