目標の長さまでもう少し。長髪を後ろで束ねて通学する栗山銀河さん(右)=鳥栖市の田代中

 小児がんなどで頭髪を失った子どもらに無償で医療用ウイッグ(かつら)を贈る「ヘアドネーション」に、鳥栖市の田代中1年の男子生徒が取り組んでいる。小学5年時から髪を伸ばし始め、今年の夏休みには目標の長さに届く見込みだ。中学入学前に学校に事情を説明、髪を切らずに入学できた。学校側も周囲の生徒に理解を促すなどサポートしている。

 ヘアドネーションに取り組んでいるのは栗山銀河さん(12)。栗山さんは小学5年の夏休みに髪を長めに切った際、母から「医療用ウイッグをやってみない?」と言われた。中学への入学前に取り組もうと決めた。

 ヘアドネーションは、極度の傷みがなく一定の長さ以上の髪の毛であれば、年齢や性別、髪色、髪質を問わず協力できる。NPOなどが取り組んでおり、提供された髪をメーカーが加工し、NPOなどが希望する子どもらに届ける。

 栗山さんはきれいな髪を贈るため、洗髪時にコンディショナーも欠かさず、また時間をかけて丁寧に乾かしている。長髪なので大人から「娘さんは…」とよく間違われるという。男性の格好が好きな女性と誤解されたり、温泉でじろじろ見られたりするなど気苦労も少なくないが、「人のために何かできるなら、最後までやり遂げたい」とあきらめずに続けてきた。

 提供の目安は結び目から32センチ以上で、今は30センチ余り。中学進学時に切らなければならないか心配したが、父が学校に話をして理解が得られた。同学年や上級生に対して学校が説明していて、栗山さんは「みんな知ってくれていると思う」と話す。長髪は校則とは合致しないものの学校側が栗山さんの取り組みを見守っている。

 もうすぐ目標の長さ。「同じくらいの年齢の子とかお年寄りとか、困っている人に使ってもらいたい」と願う。ヘアドネーションの輪の広がりにも期待を込め、「簡単にできることではないと思うので、ドネーションする人がいたら応援してもらえたら。本人の勇気や元気になると思う」と話す。(樋渡光憲)

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