ミャンマーのクーデターから3カ月、国軍が国民に銃を向ける事態が続いている。抗議デモを取材していた日本人ジャーナリストも治安当局に拘束された。国軍に不利な情報の発信が「虚偽ニュース」と認定された可能性が高いという◆国民の生命・財産を守るべき国が自国民の命を奪う。不都合な情報を流せば、その自由を奪う。国は何のためにあるのか。こうした力でねじ伏せる「恐怖による統治」を見ると、憲法が機能する大切さを改めて感じる◆日本の憲法は国民の権利、さまざま自由を保障する。思想、信教、職業選択、学問の自由など、一人一人が尊重されるように、国に縛りをかけている。国が国民を縛るミャンマーのような社会にしないために憲法は存在する◆先日、憲法学者の木村草太・東京都立大学教授の講演を聴いた。木村教授は日本学術会議問題などを挙げながら、「安保法制以来、違憲・違法な行為について、強弁・説明拒否で乗り切る姿勢がある。法治主義のゆがみが生じている」と政治の現状を危惧した。小さなゆがみが知らないうちに大きくなっていた-。そうならないように目を向け続けたい◆俵万智さんの一首。〈あたりまえのことしか書いていないなと憲法読めり十代の夏〉。憲法記念日に、あたりまえのことがちゃんと守られる社会が続くようにと願う。(知)

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