Web有田陶器市のホームページ。今年は163事業所が参加している

Web有田陶器市で注文を受けた焼き物の発送作業をする松華堂のスタッフら=有田町大木宿

 コロナ禍でゴールデンウイーク恒例の有田陶器市(西松浦郡有田町)が2年連続で中止となる中、今年もオンライン販売の「Web有田陶器市」が5日まで開かれている。参加事業所は昨年の経験を生かし、福袋や動画のライブ配信に取り組むなど多様な売り込みを展開。オンライン販売に取り組む産地が増えて苦戦も予想されたが、順調な売り上げの事業者もおり、運営する有田商工会議所は「思ったより健闘している」とひとまず安堵(あんど)している。

 全国に先駆けて産地規模のオンライン販売を開いた昨年の好評を受け、今年は34事業所増の163事業所が参加。ただ、町の送料負担がなくなり、ウェブ販売に取り組む他産地も増えたことで、当初は売り上げ減少を心配する声もあった。

 4月29日から1日までのアクセス数は昨年より減っているものの、購入単価が上がり、昨年以上の売り上げを確保している事業者もあるという。「昨年いち早く取り組んだ実績があり、各事業者のサイトが充実したのも好要因」と同商議所。前回は準備期間が短く、簡易なサイトもあったが、今年は国や県、同商議所の支援などを受け、プロの撮影で見栄えを良くしたり、詳しい説明を加えたりして商品をアピールしている。

 さらに消費者を引きつけるサービスも。陶器市気分を味わえる福袋や、特価の掘り出し物をサイト内から探してもらう企画で商品をくまなく見てもらう工夫をした事業者も見られた。SNS上での情報発信も目立つ。手塚商店を営む手塚英樹さん(70)は、ライブで動画を配信する「インスタライブ」を開催。「ライブ後には商品が動く」という。

 昨年の成功はネット販売の裾野も広げた。飲食店や宿泊施設向けの業務用食器を手掛ける商社「松華堂」は初参加組で、「ネットは不慣れだし、一般食器ではないので売れないと思っていた」と池田孝裕社長(67)。コロナ禍で業務用が厳しく、販路を広げるきっかけになればと出店したが、初日で目標額を達成した。「一度買ってくれた人が、また買ってくれたりもした。感謝しかない」。業務用の販路は大事にしながら、ネット販売も続けていく考えだ。(古賀真理子)

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