私たちの命を形作る「細胞」。広辞苑には「生物体を組成する構造的・機能的単位」とある◆この細胞の働きを解説するアニメ「はたらく細胞」が人気を集めている。体内を駆け巡り、酸素や栄養を運ぶ「赤血球」、血管が傷ついた時に結集し、傷口をふさぐ「血小板」などさまざまなキャラクターが登場する。「人体の不思議」を学ぶ入り口として子どもにお薦めだ◆テレビシリーズとは別に、「はたらく細胞新型コロナウイルス編」がインターネットで公開中だ。コロナウイルスに捕まらないように身を潜める一般市民を通常細胞、ウイルスと闘う白血球を医療従事者にたとえながらコロナの特徴を解説し、予防の大切さを啓発する◆ウイルスと闘う白血球に向かって、「普段は言えないけど頑張りすぎないで」という細胞の気遣いや、コロナに傷つけられた体内でフル稼働し、「酸素と一緒にみんなを信じる気持ちを届ける」という赤血球の気迫が印象的だ。目に見えないが、体内ではこんなやりとりがかわされているのかもしれない◆命を支えるのは細胞の団結力。どれか一つ欠けても体内の平和は保たれない。人間社会にも一人一人に位置づけや役割があるはずだ。命を大切にするということは「日常の小さな出来事を地道に積み重ねること」では。「はたらく細胞」に、そう教えられる。(義)

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