若手農業者を育成する基金を設立した坂井邦夫氏

 佐賀県農業会議会長を3月末まで務めた坂井邦夫氏(78)=佐賀市本庄町=が、若い農業者を育成する基金を設立した。県農業会議が基金の運用、管理を担い、若手が参加する研修会の費用などを助成する。

 坂井氏は佐賀市生まれ。佐賀市農業委員会でも会長を2012年4月から今年3月末まで務めた。全国農業会議所理事にも就き、現場の声を国に届けてきた。県農業会議会長は2014年8月から務め、「サラリーマンの経験はないが、定年退職する心境はこんな感じなのだろう。長年お世話になり(基金は)お返しするいい機会」と話す。

 基金は坂井さんの寄付金で構成し、規模は100万円。国際農業者交流協会主催の海外研修で行われる事前の国内合宿の経費を補助し、1人につき10万円を交付する。県内出身者で帰国後に県内で就農し、地域活動などに積極的に参加することが条件。

 このほか県農業青年クラブ連絡協議会が主催する研修会で、講師の謝金にかかった経費を2分の1以内で助成する。支払金額は5万円が上限で、年1、2件程度の利用を見込む。

 坂井氏は現在、米や野菜の営農、養蜂などの傍ら、子どもたちの農業体験受け入れ、ミャンマーでの小学校建設支援などの社会貢献活動に取り組む。大阪府立大農学部で学び、日米安保に反対する学生運動が激化した昭和40年代、米国農家にホームステイした経験があり、「現地を訪ねてこそ分かることがある。これからの地域を担う農業の担い手を育てることをお手伝いできれば」と思いを語った。(大田浩司)

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