海の向こう、米大リーグで大谷翔平選手が好調だ。日本時間のきのう、約3年ぶりの勝利をつかんだ◆投手と打者。持ち味の「二刀流」にも種類がある。投手として先発した時は打席に立たず、投手として出場しない日は指名打者として出場する。今季はしかし、投手として先発した試合も普通に打席に立つ。きのうの試合も「2番・投手」として躍動した。投げては5回を9奪三振、打っては3打数2安打2打点。「エースで4番」も夢ではない◆投の柱と打の柱。チームを支える柱は多い方がいい。投手も先発、中継ぎ、抑えと分業が主流。そんな時代の常識を覆すような「リアル二刀流」は、見ていてワクワクする。ただ、私たちは成功した部分だけを見てうらやましくなるが、その陰には何十倍、何百倍もの苦しみがあったはず。大谷選手もこの2年は右肘の故障に苦しんだ。地道なリハビリ、努力を重ねての復活劇だと思う◆人間社会はシーソーのようなもの。誰かが高く上がる時は下で支えてくれる人がいる。水泳の池江璃花子選手にしろ、マスターズを制したゴルフの松山英樹選手にしろ、苦しんだ経験がある人は、よく分かっている。誰かの支えがあって高く飛び上がれることを◆人は涙の数だけ強く、優しくなれる。もっと高く飛べるよ。支える人たちはきっと、そう思っている。(義)

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