問題。「はじめはちいさなタネだけどだんだんあしがのびてくる。そらもくももみたことないけどくらいところでふんばっている」ものは? 答えは「きのねっこ」(谷川俊太郎『えほんなぞなぞうた』)◆樹木が大きく成長するためには「根っこ」が必要だ。人間の成長にも根っこは欠かせない。根っこが広がるために必要な栄養の一つが「読書」だろう◆上皇后美智子さまは戦時中、父にもらった数冊の本を疎開先で大切に読まれたという。そんな子ども時代の読書についての講演抄録を収めた『橋をかける』で、美智子さまは「読書はある時には私に根っこを与え、ある時には翼をくれた」と話される◆高く伸びた幹や枝からの景色が根っこには見えなくても、想像の翼を広げることはできる。本の中に描かれる喜びや悲しみに触れることで、人生の中で実際に訪れる悲しみに耐え、喜びを分かち合う力が育つのかもしれない◆きょう23日は「子ども読書の日」、5月12日まで「こどもの読書週間」。ヨハンナ・スピリの『アルプスの少女ハイジ』で、ハイジは目が見えないペーターの祖母に本を読んであげたいと懸命に字を覚えた。折しも4都府県で3度目の緊急事態宣言が出される見込みで、ゴールデンウイーク中も在宅でと思う人もいるだろう。きっかけは何でもいい。活字に親しもう。(義)

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