大口径のダイヤモンド半導体デバイスを作製した佐賀大理工学部の嘉数誠教授=佐賀市の佐賀大学

佐賀大学理工学部の嘉数誠教授

佐賀大学本庄キャンパス

 佐賀大学理工学部の嘉数(かすう)誠教授は20日、エネルギー効率などに優れた「ダイヤモンド半導体」を使い、電力を制御したり、変換したりするパワーデバイス(電子部品)を作製し、世界最高水準の出力電力を得ることに成功したと発表した。従来とは異なる電気伝導の構造を考案し、基礎研究にとどまっていたダイヤモンド半導体の実用化にめどを付けた。現在導入が進む新たな移動通信システム(5G)の次に到来する6Gの基地局や電気自動車など広範な応用が期待されるという。

 ダイヤモンド半導体はシリコン製の半導体に比べて、パワーや高周波性能に優れ、「究極の半導体」と呼ばれている。こうした特性は理論的に知られ、高周波で大電力性能のパワーデバイスとして世界中で研究されてきたが、これまでは理論上の数値よりも電流値が極めて低く、デバイスの寿命が極端に短いという課題を抱えていた。

 佐賀大学と「アダマンド並木精密宝石」(本社・東京)の研究チームは、同社が高純度で従来より大口径のダイヤモンドウエハー(集積回路の基板)を開発し、それを使って佐賀大学が新たに考案した構造のダイヤモンド半導体デバイスを作製。飛躍的に電力性能が向上し、デバイスの劣化を抑えることができたという。嘉数教授は「5年以内に量産化できるように進め、日本を再び半導体大国にしたい」と語った。(宮﨑勝)

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