公演前のリハーサルを行う徳永義昭さん=16日、北九州市

終演後、フジコ・ヘミングさんの楽屋を訪れた徳永義昭さん=16日、北九州市

 「五十の手習い」でピアノを始め、リストの難曲「ラ・カンパネラ」を奏でるまでになった佐賀市のノリ漁師、徳永義昭さん(60)が16日、憧れの世界的ピアニスト、フジコ・ヘミングさんの公演に招かれ、北九州市のホールで演奏した。ピアノを始めるきっかけとなったヘミングさんの計らいで実現した晴れ舞台は、拍手喝采に包まれた。

 徳永さんはテレビで見たヘミングさんのラ・カンパネラに魅了され、52歳からノリ漁の傍ら見よう見まねで練習を続け、その上達ぶりが話題に。2019年、妹が応募したテレビ番組の企画でヘミングさんと初対面した。その後、共演のチャンスは何度かあったが、新型コロナウイルス禍に伴う公演中止やノリ漁の都合で延びてきた。

 16日午後、ヘミングさんが「彼を喜ばせるのが楽しみ」と迎えた徳永さん。公演冒頭、約1700人を前にラ・カンパネラを堂々と演奏、深々とお辞儀し、両手でピースサインをして見せた。続けてヘミングさんが力強さと軽やかさを駆使した繊細な演奏で聴衆を魅了。最終盤にはラ・カンパネラも披露し、徳永さんは舞台袖から堪能した。

 徳永さんは自身の演奏を「ミスが多かった」と厳しく採点。終演後、ヘミングさんの楽屋を訪れ「フジコさんのおかげで今の自分がある」と感謝の花束を手渡した。ヘミングさんは「また弾いてね」と声を掛け、ベートーベンのピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」を勧めたという。

 習得に7年かかった難曲に次ぐ新たな「課題曲」に、徳永さんは「プレッシャーに負けず演奏できるよう練習したい」と、さらなる高みを見据えていた。【共同】

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