ムベ

 春の訪れを感じる季節にひっそりと開花するムベ。花は葉の付け根部分から花柄を出し、白色でやや淡赤紫色を帯びたものを下向きに3~7個つけます。10月頃には果実を結び、熟すと皮が暗赤色になりますが、同じ科で似た実をつけるアケビとは違い、この果皮が割れることはありません。

 生薬名を「野木瓜(ヤモクカ)」といい、 民間療法では茎と根は強心利尿、果皮や葉などは駆虫に使われます。

 ムベの歴史は古く、天智天皇が滋賀県を行幸した際に元気な老夫婦に出会い、彼らに長寿の秘訣を尋ねたところ「これを食べているから」とムベを差し出されたといわれています。

 感心した天智天皇は毎年秋にムベを大贄として献上させたとされ、ムベの皇室献上は一時期を除き、今もなお行われています。(中冨記念くすり博物館)

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