佐賀県の重要文化財「旧三菱合資会社唐津支店本館」(市歴史民俗資料館、海岸通)を現地で修復する方針を唐津市が示したことを巡り、民間委員を交えてつくる「唐津みなとまちづくり懇話会」は15日、現地修理ではなく東港緑地への移築を改めて市に求めた。「現地修理では観光機能を果たすことは困難」と、活用の見通しに疑問を呈した。

 懇話会は唐津港の活性化策を検討する組織で、委員36人が参加して市水産会館で会合が開かれた。

 市教育委員会は「文化的な価値を損なわないまま移築する方法を見いだせなかった。価値を損なう保存整備は行わないと、市長部局で申し合わせた」と説明した。委員からは「住宅地での修復となると、騒音やごみなど住民とのトラブルも懸念される。観光機能を果たすことは困難」という意見が出た。

 懇話会は2005年、東港一帯のシンボルとして同館を移築して生かすように提案していた。今回の市の方針に対し、改めて移築を求める文書を提出、移築した全国の事例を紹介した。

 市の担当者は「意見を市長に伝えたい」と話した。

 同館を巡っては、れんが壁や1階の床を文化財の価値を損なわずに移築することは「技術的に困難」という見解を専門家が示し、市が2月の市総合教育会議で現地修理の方向性を確認していた。市は今後、峰達郎市長を座長とした市政戦略会議で正式な方針を決める。(横田千晶)

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