進級、進学おめでとうございます。クラス替(が)えや担任(たんにん)の発表にドキドキし、結果に安心したり絶望(ぜつぼう)したりの春ですが、学校で過(す)ごす残り時間は毎日、確実(かくじつ)に減(へ)っています。
 学校では勉強だけでなく集団(しゅうだん)生活を学ぶといわれます。せっかく学年が上がったので、特に今回のクラス替えで安心した皆(みな)さん、今年は自分だけのことではなくてクラスや学年、学校を通して絶望する人が生まれないように、「みんなが仲よく」という状態(じょうたい)をつくって長続き(持続)させる方法を考えてほしいと思います。
 「みんな仲良く」というのは大人にとっても難(むずか)しいことです。人にはどうしても好(す)き嫌(きら)い、合う合わないがあり、みんなキャラも違(ちが)います。だから、メンバーを選べない、抜(ぬ)けることもしにくい学校で学ぶべき集団生活というのは、いろいろな人や意見、態度(たいど)がある中で、それぞれがぶつからずに得意なこと、苦手なことを生かしあい、補(おぎな)いあって過ごすということです。全員が指示(しじ)通りに同じことをするのはただの命令行動です。
 攻撃(こうげき)と反撃(はんげき)、押(お)し付(つ)けと我慢(がまん)、グループ化と孤立(こりつ)など、こういう状態がどこにも起きないようにうまく調整する役割(やくわり)を目指してみませんか。1人ではわがままや強引(ごういん)な人に対応(たいおう)できないかもしれません。この話がわかってくれそうな人とも協力が必要でしょう。そうした中で、絶望している人へも声をかけあって、それぞれが「何とかなるかも」の状態にできればと思います。SDGsで学ぶ「誰(だれ)一人(ひとり)取り残さない」は身近なところからこそ必要です。(浄土真宗本願寺派僧侶、日本思春期学会理事 古川潤哉)

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