新型コロナウイルスワクチンを接種する高齢者施設の利用者=12日午後、佐賀市の特別養護老人ホーム「つぼみ荘」(撮影・山田宏一郎)

 65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種が12日、全国で始まった。医療従事者を除く一般住民の接種は初めて。佐賀県内では、特別養護老人ホームつぼみ荘(佐賀市北川副町)と福壽園(同市諸富町)の計95人が接種を受け、副反応や体調不良を訴える人は報告されていない。政府は6月までに必要な量を各市区町村に届ける方針で、前例のない規模の接種事業が本格化する。

 つぼみ荘では、72~102歳の入所者25人と職員20人の計45人が5、6人ずつのグループに分かれて接種を受けた。市内の佐賀リハビリテーション病院の医師吉原麻里さん(36)が、家族の事前承諾を得た入所者を1人ずつ問診してワクチンを打った。

 接種を終えた人は待機スペースに移動し、15分ほど安静にした。90代の女性入所者は「インフルエンザの注射より痛かったが、これで安心できます」と感想を述べた。つぼみ荘と佐賀リハビリテーション病院の理事長を務める吉原正博さんは「問題なくスムーズに接種を進めることができた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 佐賀市の新型コロナワクチン接種対策室によると、市内に30カ所ある高齢者施設のうち、接種スケジュールが確定しているのは12カ所で、その他は調整を続けている。担当者は「医療機関の協力を得ながら、希望する市民に円滑に接種できるように体制づくりを進めたい」とコメントした。

 共同通信のまとめでは、クラスター(感染者集団)によって多数の重症者が出る恐れのある高齢者施設の入所者に接種する例が全国的に目立った。(大田浩司、川﨑久美子)

このエントリーをはてなブックマークに追加