尿に含まれる「マイクロRNA」から脳腫瘍を診断するイメージ

 早期発見が難しい脳腫瘍を、1ミリリットルの尿から99%の精度で診断できる方法を開発したと、名古屋大や三重大などのチームが米化学会誌に発表した。腫瘍から分泌され尿に含まれる微小物質「マイクロRNA」を効率よく集め、分析する。

 チームは2021年度中に臨床試験をして、実用性を検証する。名古屋大の夏目敦至准教授によると、脳腫瘍は、見つかった時には既に進行して手術が難しくなっている場合も多い。夏目准教授は「早期発見できれば、生存率向上につながる。将来的には日々の健康診断での活用を目指したい」と話した。

 チームは、酸化亜鉛の非常に小さな結晶を密集させることで、尿からマイクロRNAを効率よく回収する装置を開発。脳腫瘍患者と健康な人の尿を分析して、患者に特徴的なマイクロRNAのパターンを特定した。

 その上で別の脳腫瘍患者と健康な人、それぞれ34人の尿を調べたところ、99%の精度で患者かどうかを見分けられた。腫瘍の悪性度や大きさに関係なく有無が分かった。

 他の臓器のがんでもマイクロRNAのパターンを特定できれば、わずかな尿から、複数種のがんの有無を同時に判別できるようになる可能性があるという。

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