ボランティアの人と一緒に猫の世話をする福島みほさん(右)=武雄市武雄町の「ねこのきもち」

 人が餌をやることで増えてしまう野良猫を殺処分や事故から守ろうと、保護活動に取り組む拠点が武雄市に誕生した。保護して去勢や避妊を施し、里親を探したり、「地域猫」として街に戻す。野良猫への理解を深めてもらう情報も発信し、人との共生に取り組む。

 武雄町で飲食店を経営する福島みほさん(51)が、同町の温泉通りに「支援カフェ ねこのきもち」と名付けて開設した。保護猫がいるスペースと飲み物を提供するカフェがある。

 福島さんは10年ほど前から猫の保護活動を始めた。保護や繁殖抑制に加えて、餌場やふんをする場所を設けて地域猫としての共生にも取り組んできた。避妊や去勢には市の助成もあるが、不足分は自費で補い、2020年だけでも繁殖抑制手術を57匹に施し、35匹に里親を見つけた。

 そうした中、新型コロナウイルスで営業自粛した飲食店が餌をやれず、食べ物に困る猫が急に増える問題に直面した。本格的な取り組みが必要なことを実感し、保護の拠点づくりを考えた。営利目的でなく動物の譲渡などができる「第2種動物取扱業者」の届け出もした。

 3月中旬に開設したカフェには現在、19匹の保護猫がいる。飲み物付きで1時間千円で部屋に入って猫を眺めることもできる。5人ほどのボランティアが店番や運営を手伝っており、益金を保護活動費に充てる。保護活動などで急に一時休店する時があるため、昼から夕方までの不定休で運営している。

 猫は年に数回、5匹ほど出産できるため、ねずみ算的に増えるとされ、保護活動が重視されている。無理な保護は強いストレスで健康を害することもあり、捕まえて-避妊を施し-地域に戻す「TNR活動」に取り組む団体も増えている。

 福島さんは「きちんと餌をやり、排せつ場所を設けることで共生でき、発情期がなくなることで夜鳴きやけんかもなくなる。そうしたことを説明し、理解してくれる人も増えている。人間の都合で殺処分など悲しい目に遭う猫を少しでも減らすため、いろんな情報を発信していきたい」と話す。連絡先は電話090(3013)5254。(小野靖久)

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