県産イチゴ「いちごさん」の親苗。「いちごさん」は改正種苗法の海外持ち出し制限の対象品種になっている=2020年、佐賀市の県農業試験研究センター

 国内で開発されたブランド果実などの種や苗木を海外へ不正に持ち出すことを禁じた改正種苗法が4月に施行されたのに伴い、持ち出し禁止などになる1975品種が9日、発表された。佐賀県関係では、イチゴの「いちごさん」、ミカンの「にじゅうまる」、コメの「さがびより」など19品種が対象。県農政企画課は「県のブランド維持や輸出拡大にも寄与するのでは」と期待する。

 対象品種の発表は改正法が1日に施行されてから初めて。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)や42道府県が登録しているコメや果実が中心で、イチゴの「あまおう」(福岡県)、レタスの「シナノホープ」(長野県)、ナシの「秋甘泉(あきかんせん)」(鳥取県)なども含む登録品種が1702、出願中が273。

 佐賀県関係は18の登録品種と出願中の1品種。内訳は、コメが「夢しずく」など5品種、かんきつが「にじゅうまる」など2品種、温州ミカン2品種、イチゴが「いちごさん」など2品種、ホオズキ3品種、大豆、キク、クロマツ、ノリが各1品種と、品種登録中のスギ。

 登録品種は、海外への持ち出しが原則、禁じられる。違反すると個人には10年以下の懲役や1千万円以下の罰金が、法人には3億円以下の罰金がそれぞれ科される。出願中の品種は罰則の対象ではないが、公表による注意喚起を狙う。

 優良な登録品種は高値で取引されることが多く、無断栽培や海外への不正持ち出しのリスクも高い。県内では、2018年に県が品種登録した「いちごさん」が昨年にかけて苗の盗難が相次いだ。県農政企画課の池田百合子課長は「今回の措置は海外流出の防止につながる」と話した。(宮里光)