厚生労働省がホームページ上で紹介している多言語の予診票を見ながら、どのような支援ができるかを議論する県国際交流協会の職員ら=佐賀市白山の同協会

 「日本人でも戸惑うのに、外国人はさらに難しい」。新型コロナウイルスのワクチン接種に関し、在留外国人への支援を呼び掛ける意見が佐賀新聞「こちら さがS編集局」(こちさが)に寄せられた。県国際交流協会は支援に向けた議論を重ねており、同協会の黒岩春地理事長は「接種を希望する人が、言葉が壁になって諦めることがないようサポートが必要」と話す。

 ワクチン接種は、医療従事者に続き、65歳以上を対象に12日から、県内市町でも順次始まる。ワクチン接種は各市町が担い、接種券と予診票などを郵送している。書類のほとんどは日本語だ。

 厚生労働省は、在留外国人向けに17言語に訳した予診票などをホームページに掲載し、翻訳を見ながら郵送された予診票に記入するよう求めている。ただ、翻訳を見て予診票に記入できたとしても、それぞれの自国の言葉で記入することが想定される。

 同協会で4月上旬にあった会議では「少数言語だと医師が理解するのが難しい。接種する現場で混乱するのではないか」と指摘する意見が出された。

 ワクチン接種の予約方法は市町ごとに異なり、電話やウェブ、無料通信アプリLINE(ライン)などで行う。電話だけの自治体もあり、会議では「予約する外国人も行政側もハードルが高く、聞き間違える可能性も考えられる」と懸念する声もあった。

 同協会は、各市町の接種開始時期や予約の手段などをまとめた表を作成してホームページで発信しているほか、外国人と行政の間に入って予約の仲介や医療通訳の派遣などもできるかどうか模索している。

 在留外国人の割合が多い佐賀市は、ホームページで「やさしい日本語」でのワクチン接種の情報を発信。封筒や予診票、接種券の見本も写真付きで紹介している。鳥栖市では外国人の若者を想定し、QRコードなどを活用した多言語での案内を検討しているという。

 供給の見通しが立たない中で各市町は限られた職員で対応しなければならず、黒岩理事長は「外国人の個別の対応までは手が回らないだろう」とおもんぱかる。地域や職場で、予診票の記入の手伝いやワクチン接種会場に同行するのも支援策の一つとし「本当の意味での多文化共生社会が試される時」と強調する。

 外国人の支援に関する相談や問い合わせは県国際交流協会、電話0952(25)7921。(中島佑子)

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