一筆一筆丁寧に絵付けする有田町の柿右衛門窯の職人。九州観光推進機構による米英豪での市場調査では、陶磁器の関心が最も高かった

 九州にある地域資源のうち、欧米人の関心が最も高いのは陶磁器―。九州の企業や自治体でつくる一般社団法人「九州観光推進機構」(福岡市)が、米国、英国、豪州の3カ国を対象に実施した調査でこのような結果が出た。国内有数の陶磁器産地を抱える佐賀県にとっては好材料と言え、アフターコロナを見据えた海外戦略の参考になりそうだ。

 民間の調査会社「アモビージャパン」の協力を得て、2019年7月~20年12月に調査した。九州が誇る「陶磁器」「火山」「温泉」の三つのテーマについて、人工知能(AI)を用いて、米、英、豪の3カ国のネット利用者のサイト閲覧履歴からコンテンツへの関心度を分析した。

 その結果、米、英、豪のいずれも陶磁器に関する関心度が最も高く、幅広い年齢層の女性が関心を寄せた。陶磁器の歴史への関心が高いほか、有田焼の文字盤が採用された腕時計など、現代ブランドと陶磁器のコラボレーションが関心を集めた。有田焼、伊万里焼は一定程度認知されており、染付など陶磁器の特徴への関心も高かった。

 具体的に欧米や豪州の市場に訴求するためには、有田焼、伊万里焼への歴史的な関心の高さを踏まえてマイセン(ドイツ)など海外の陶磁器とのつながりをPRする、「柿右衛門」など職人に焦点を当てる、職人と歴史の要素を生かした体験型コンテンツ―などが効果的だと分析した。

 調査結果は九州の各観光関係者と共有し、有効活用するという。同機構は「歴史の深掘りなど、陶磁器に関する情報を率先して発信していきたい」と話す。(大橋諒)

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