佐賀いのちの電話 直近7年間の相談件数

 自殺予防を目的に、悩みなどを24時間体制で受け付ける「佐賀いのちの電話」の昨年1年間の相談件数は1万8353件だった。新型コロナウイルスの影響を受け、医療従事者や経済的な打撃があった飲食店経営者ら、さまざまな悩みを抱えた人に寄り添い、前年より1979件増加。ただ相談員のなり手不足が課題で「助けを求める人に寄り添うためにも力を貸してほしい」と呼び掛けている。

 「いっそ死んでしまいたい」。3月中旬、県外の50代女性から電話があった。会社を辞めることになり、再就職を目指して面接を受け続けていた。ただ「コロナ禍で思うようにいかない」と悲痛な声で話した。

 60代女性の相談員は、うなずきながら約25分間、丁寧に耳を傾けた。相談した女性は明るい声を取り戻し、電話を切ったという。相談員は「人と会う機会も少なくなり、ここを頼る人が多くなっているのでは」と推し量った。

 新型コロナに関連する相談は、国内で感染者が出始めた昨年3月上旬から増加し4、5月はそれぞれ月別全体の約13%を占めた。「もうくたくた。ほとんど寝ていない」(医療従事者)、「コロナで休業し、経営も生活も苦しい」(飲食店経営者)といった相談が寄せられたという。

 相談には3月現在、約120人で対応するが、相談員の高齢化もあって5年前より30人減った。相談員は「以前は夜間のシフトにも入っていたが、運転などの安全を考慮して控えるようになった」と話す。一日を3時間ずつに分けて対応し、深夜帯の体制が手薄になるケースもあるという。

 事務局は5月から、相談員の養成に向けた講座を開く。7月下旬まで週1回ペースの11回で、大学教授らが講師を務める。水曜と土曜の各グループ35人定員で、会場は水曜が佐賀市のアバンセ、土曜がメートプラザ佐賀。20歳以上が対象で、受講料が1万5千円(学生は1万円)。応募締め切りは30日。ホームページから申し込みができる。問い合わせは事務局、電話0952(34)4186。(松岡蒼大)

このエントリーをはてなブックマークに追加