2年間の地域おこし協力隊の任期を終えて「この仕事ができて良かった」と振り返る国重亜樹奈さん=玄海町の浜野浦の棚田

国重さんがブランド化に取り組んだ「浜野浦の棚田米」

 玄海町の「地域おこし協力隊」として観光名所で知られる浜野浦の棚田の活性化などに取り組んできた国重亜樹奈さん(30)が3月末で退任した。縁もゆかりもない町で2年間務め、棚田米のPRなど未経験の仕事に取り組んできた。「この仕事ができて良かった。第二の古里がもっと発展するのを願っています」と、温かく迎えてくれた住民に感謝している。

 国重さんは以前から棚田に興味があり、玄海町の協力隊に応募して2019年4月から隊員になった。福岡市博多区の出身で、それまでは都会の生活が中心だった。初めての田舎暮らしに最初は戸惑いも感じたものの、「住民や職員が気さくに接してくれたおかげで地域に溶け込むことができた」と振り返る。

 最も印象に残っているのは棚田で収穫した米のブランド化に奔走したこと。棚田米としてイベントなどで販売し、町のふるさと納税の返礼品にもなった。割高な米の価格を提案した際、耕作者から「値段が高すぎるのでは」との指摘が上がったものの、「耕作者や美しい景色を守るために必要」と説明しながら理解を得てきた。

 任期最後の1年となった昨年は新型コロナウイルスの影響で思うような活動はできなかったが、田植えの時期はほぼ毎日、棚田に通った。それ以外の時期も定期的に足を運んで景色の移り変わりを確かめ、「庭と感じるほどになった」。

 国重さんは4月から福岡市内で広告関係の仕事に就いている。生活や住民との触れ合いなどかけがえのない町の思い出ができたといい、「好きな棚田に携わることができて良かった。今なら町や魅力を客観的に見ることができ、外から応援していきたい」と話す。(中村健人)

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