NHK連続テレビ小説「おしん」で、年代別のおしんを演じた(左から)乙羽信子さん、小林綾子さん、田中裕子さん=1984年3月、東京・渋谷のNHK放送センター

 橋田寿賀子さんの代表作「おしん」がテレビ放映された1983(昭和58)年、佐賀はちょっとした騒ぎになった。関東大震災に見舞われたおしん(田中裕子)は、佐賀にある夫の実家に身を寄せるが、しゅうとめから嫁いびりを受けることに。佐賀のイメージダウンが避けられないと感じた井本勇副知事(当時)はNHK佐賀放送局を通じて「何とかなりませんかね」と善処を求めた。

 「県が企業誘致などに力を入れていた時期。井本さんは『あんな厳しいことを言われたら、佐賀に嫁の来んごとなる』と気をもんでいた」。県福祉課に在籍していた松尾正廣さん(78)=杵島郡白石町=は当時のことをよく覚えている。

 騒動になる一方、佐賀市や杵島郡、鹿島市など約10カ所でロケが行われ、県民を喜ばせた。松尾さんは「白石町福富のロケにも大勢の見物人が詰めかけたと聞いた。佐賀が舞台になった大人気ドラマとして、今も印象深く記憶に残っている」と語り、橋田さんの死を悼んだ。(花木芙美)

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