以前は分娩時に会陰切開(えいんせっかい)や縫合の邪魔にならないようにという理由で、陰部の剃毛をしていましたが、いつの頃からか当院でもしなくなりました。
 最近では、若い女性に全身脱毛が流行っていて、VIO脱毛と呼ばれるアンダーヘアの脱毛もしている方が多くなりました。誰が名付けたのかわかりませんが、VIOとはアルファベットの形のとおり、Vはビキニライン、Iは外陰部、Oは肛門周囲を示します。
自分で処理するのは難しいし煩わしいので、レーザー脱毛が人気なのでしょう。
 そして、介護脱毛という言葉も聞かれるようになりました。これは、将来、自分が介護されなければならない状態になった時に、おむつ交換などの、しもの世話がしやすいように陰部の脱毛をしておくことです。
 50代くらいの女性で、介護脱毛をしようという方が増えているそうです。
 実際に親の介護を経験してみると、アンダーヘアがないほうが排せつ物も付着せず、衛生的ですし、介護者に負担をかけたくないと感じるからでしょう。ただし、レーザー脱毛はメラニン色素のある黒い毛にしか反応しないため、白髪になればできなくなってしまいます。
 昔は内診台に上がる前に「自分でアンダーヘアを剃ってしまって恥ずかしいんですけど…」と言われていた方がいましたが、今では「処理していなくてすみません」と言われることもあります。
 ひとの物事の感じ方は、その時々で変遷するものだなぁと思います。
 いずれにしても、診察にはまったく支障ありませんから、気にせずに産婦人科を受診してくださいね。(伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

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