身長40メートル、体重3万5千トン。古里は「光の国」M78星雲。小学校時代に夢中になった「ウルトラマン」の設定だ。今年は放送開始から55周年◆テレビにかじりついて見たのは50年前のきょう4月2日に始まった「帰ってきたウルトラマン」からだ。ウルトラマン以外にも、1970年代は正義の味方がたくさん誕生した。「仮面ライダー」はその一人。「帰ってきたウルトラマン」の翌3日に始まり、あすで50年になる◆ウルトラマンは「特撮の神様」といわれた円谷(つぶらや)英二さん、仮面ライダーは原作者石ノ森章太郎さんの思いを受け継ぎ、今も両シリーズは続く。世代を超えて親しまれてきた理由は何だろう。戦後、日本は高度経済成長で物質的な豊かさを手に入れたが、公害という負の遺産に苦しんだ。織りなす光と影。ウルトラマンも単純な勧善懲悪ではなく、人類愛などメッセージ性が強い◆「光は絆。誰かに受け継がれ再び輝く」「大切なのは最後まで諦めず立ち向かうこと」。いつの時代も子どもたちの心に残る言葉が織り込まれていた気がする。正義の味方が体現したように、真の強さは優しさの中にあると思う◆佐賀市の県立美術館で開催中の「ウルトラマン55周年記念展」を見た。懐かしさとともに、あの頃の純真さを失っていないか、真の強さは持っているだろうか。ふと自問した。(義)

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