音声を文字にする「UDトーク」と手話で思いを伝える今村彩子監督=佐賀市松原のシアター・シエマ

 映画「きこえなかったあの日」の今村彩子監督(愛知県)が3月29日、佐賀市松原のシアター・シエマで舞台あいさつをした。災害を経験した聴覚障害者への取材に基づく同作も上映され、手話など命を守る情報伝達手段の必要性を訴えた。

 今村監督は自身も聴覚に障害がある。同作では東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨のほか、新型コロナウイルスの感染拡大時に耳が不自由な人がどう過ごしていたのかを追った。

 以前のろう学校で口話が推奨されてきた経緯を踏まえ、手話や読み書きが困難な高齢のろう者への支援に関する理解を促している。手話を普及する手話言語条例の広がりや、薬剤師が耳が不自由な人に薬の内容を絵のカードで伝える取り組みなども伝えている。

 今村監督は、撮影の中で周囲と積極的にコミュニケーションを取る視覚障害者と接したことを挙げながら「耳が聞こえる人と無意識に壁をつくっていたかもしれない、という気付きになった」と振り返った。また、「誰とでも気持ちでつながることはできる。積極的に交流したい気持ちが強まった」と述べた。

 同作はシアター・シエマで1日まで上映する。(花木芙美)

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