昭和のアイドル山口百恵さんの引退コンサートは人気絶頂にあった1980年10月5日だった。その再放送を1月末、テレビで見た。当時21歳。やはり美しい◆同じように1970年代を駆け抜けた「ピンク・レディー」は40年前のきょう3月31日、さよならコンサートを開いた。人気は下り坂で、百恵さんに比べると引き際の印象は良くなかったが、輝いた日々は色あせない。人生は一度きり。他人がどう思おうと、信じた道を進むしかない◆2020年度が終わる。多くの職場できょう、退職者辞令交付式があるだろう。それまで縁が薄かった人たちが「仕事」を通じて知り合い、時に家族以上のつながりを感じながら成長する。「職場」は学校と同じように、ひなが独り立ちする「巣」のようなものだと思う。成長の栄養になるのは「評価」「報酬」と、「やりがいや達成感」だろうか◆定年を迎えての退職辞令も「巣」からの「卒業証書」のようなもの。良くも悪くも「巣」に守られてきた面はある。退職で肩書や所属先がない自分に戻った時、自信をもって社会の中に飛び出せるか、が問われている気がする◆百恵さんは引退コンサートの最後をラストシングル「さよならの向(むこ)う側」で締め、ありがとうをさよならの代わりにと歌い上げた。お世話になった人に、その歌詞を贈ろうと思う。(義)

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