市民団体からJR厳木駅木造駅舎の無償譲渡の受け入れを求められていた唐津市は29日、JR九州からの譲渡を受け入れない考えを示した。市は公共施設の統廃合を進めており「公共施設の維持管理に要する費用が財政を圧迫している」として駅舎の維持管理は困難と判断した。
厳木市民センターのセンター長と職員らが市民団体に回答した。市は公共施設を再編する中で、新たな公共建築物は「原則整備、保有しない」とした。回答書によるとJR九州は昨年2月、駅舎の無償譲渡を提案したが、市は断っていた。
「厳木駅舎と給水塔を愛する会」のメンバーは回答を受けて「地域の文化として残すべき」「佐賀からの玄関口がなくなってしまうのか」と意見を述べた。
厳木町内外の六つの市民団体は12月中旬に要望書を提出し、駅舎を補修する費用を約330万円と試算していた。(横田千晶)
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