6月のオープンに向けて工事が進むメディカルコミュニティみやき=三養基郡みやき町白壁

 任期満了に伴う三養基郡みやき町長選が30日告示、4月4日投開票の日程で実施される。現職の末安伸之氏(64)=4期、簑原=と、新人で前町企画調整課長の岡毅氏(50)=東尾=が立候補を表明し、中原、北茂安、三根の3町が合併した2005年以来、16年ぶりの選挙戦になる見通しだ。有権者は、6月にオープンする「メディカルコミュニティみやき」の運営や、ふるさと納税を含めた町財政の在り方などに関心を寄せており、論戦の行方に注目している。

 町は「健幸長寿」の町づくりを掲げ、拠点施設「メディカルコミュニティみやき」を6月下旬にオープンさせる。トレーニングジムやプール、リハビリ施設などを備え、病気にならないための「未病」を重視し、寝たきりの高齢者を増加させないように力を入れる。

 課題は年間約5千万円とされる施設の運営・事業費。テナント料収入は見込めるが、不足分は町財政で補うことになる。町内の40代の自営業男性は「施設の説明が物足りず、町からの持ち出しがいくらになるのか分かりづらい」とした上で「施設を造ったら後戻りはできない。活用策を示してほしい」と注文する。

 財政面では、ふるさと納税にも関心が集まる。2018年度に168億円の寄付が集まるなど町財政の支えになってきたが、総務省の基準に反する過度な返礼品で多額の寄付を集めたとして、19年6月に始まった新制度から一時除外された。翌20年7月に復帰したものの、1年以上にわたって寄付金収入が絶たれた。

 21年度当初予算では、ふるさと寄付金基金特別会計から一般会計への繰り入れが11億5558万円に上る。制度から除外された苦い経験もあり、これ以上、依存度が高まることを不安視する声もある。

 ふるさと納税ではビールや「神バナナ」などを新たな返礼品として町がPRする一方、「昔からの地元業者が重視されていない」との不満も漏れる。商工業の40代男性は「地元業者が出品している返礼品は受付サイトで優先順位が低くなっている」と受け止めている。新型コロナウイルスの影響で経営が続いている飲食店や小売店も多く「ふるさと納税の利益で支援策を考えてほしい」と望む。

 3町合併前に関東で就職し、10年ほど前にUターンした町商工会青年部長の牟田晋之輔さん(39)は、高齢者や子育て世代への施策は充実してきたと感じている。ただ、若い世代への施策は「まだ足りない」と考えており「雇用の場の誘致や、若い起業家への支援が増えれば、にぎわいが出てくる」と指摘する。

 町の主要産業である農業でも支援を望む声がある。40代の農業男性は「やる気のある若手への支援や、法人化に向けたサポートなどを期待したい」と話し、町長選での主張に耳を傾けるつもりだ。(瀬戸健太郎)

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