桜の文様の描かれた染付皿

 先月は、梅の話題を取り上げたが、やはり何と言っても春をイメージさせる花は桜。今年は、全国的にも開花が早いのだそうだ。

 法律で定められているわけではないが、日本の国花と言えば、春の桜と秋の菊である。親しみのある花だからか、普段はじっくり観察することもないが、硬貨や紙幣にも桜が多く採用されている。

 比較的気付きやすいのは百円硬貨。「100」や年号の記された反対の面に桜の花と「日本国」「百円」の文字が配されている。てっきり「100」の文字のある方が表面かと思いきや、実は桜の文様のある面の方が表なのだそうだ。

 それから千円札。表にも裏にも、写実的、デザイン的な大小さまざまな桜が配されており、肉眼ではとても見えないが、さりげなくおしべの先に、「ニ」「ホ」「ン」の文字も隠されている。

 今では、すっかり見掛けなくなった二千円札。こちらも表面の背景に桜と菊の文様が描かれるが、五千円と一万円札の桜はちょっと見つけにくい。実は、表面左下の偽造防止用のホログラムに答えがあり、散らした花が配されている。

 こんな日本を象徴する花ならば、さぞや有田の古陶磁にも多く使われているかと思いきや、梅と並んで定番中の定番の菊とは対照的に、桜の図柄を探すのは難しい。理由は分からないが、かつては、ぱっと散るので縁起が悪いものと思われていたようだ。(有田町歴史民俗資料館長・村上伸之)

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