利活用が始まった能古見小の旧浅浦分校舎と「あぐりぶ」の看板を持つ浅井咲穂さん=鹿島市三河内

リノベーションした浅浦分校。農園で採れた野菜を使ったランチを提供していく

分校跡を活用した第1回のヨガイベント。地域の人たちが久しぶりに教室に集まった=6日

 3年前に閉校した鹿島市三河内の能古見小学校浅浦分校を活用するプロジェクトがスタートした。市内で米作りや野菜栽培を行う「鈴山農園」が、交流が生まれる地域の拠点「あぐりぶ」として開設した。さまざまなイベントなどで活用するほか、農園で育った野菜を使用したランチの提供を始めた。(中島幸毅)

 3月上旬、旧分校の教室に地域住民らが久しぶりに集まった。ヨガで体をほぐすイベントに16人が参加。豊かな自然に囲まれた校舎で体を伸ばし、リラックスした時間を過ごした。

 分校は2018年3月に閉校し、校舎は投票所として使用される以外は使われていなかった。市から借り受け、リフォームして木の香りやぬくもりを感じられる空間を実現。地産の野菜を味わい、住民らが憩う場として再出発した。

 「思い入れのある場所を何とか残したかった」と鈴山農園の鈴山隆広代表(51)。この分校の出身で、学校が地区のよりどころだったことをよく知る。地域農業の担い手の確保が課題になっており、「農業と共に生きるの意味で『あぐりぶ』。ここを拠点として農業振興にもつなげたい」とも語る。

 野菜づくりを始めたい人へ畑を貸し出し、栽培の支援を始める。先々は、校舎のスペースを活用した人材の受け入れや「学校に泊まって農業体験」などの展開を模索している。

 ランチは月、水、金曜日に開店。午前11時半から午後2時半まで、カウンター席中心に10席ほどで営業する。予約推奨。問い合わせは電話080(6359)9322。 

 

■大学卒業後移住 運営の浅井さん「鹿島の魅力伝えたい」

 中心となって運営に当たるのは大阪府出身の浅井咲穂(さきほ)さん(23)。和歌山大に在学中、総務省が実施する「ふるさとワーキングホリデー」の制度を利用して鹿島に滞在、鈴山農園で米づくりを学んだ。以来、鹿島に魅力を感じてたびたび通い、酒蔵観光や鹿島ガタリンピックにも参加した。

 「農業の魅力や人の温かさに感動して、いつの間にかこの土地が好きになった」。卒業を機に移住し、農園のスタッフとして約1年間、「あぐりぶ」開設の準備を進めてきた。古き良き校舎で「豊かな食や自然に触れ、農業に関心を持ってもらえる活動をしていきたい」と話している。

 分校で流しそうめんをしたり、餅つきをしたりして地域の人たちと交流を深めた。オープン後の6日に早速、ヨガ教室を開催した。「たくさんの人が集まり、思い出をつくることのできる場所にしていきたい」と展望している。

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