九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の使用済み核燃料の保管量を増やすため、乾式貯蔵施設を敷地内に設置する九電の計画に関し、原子力規制委員会は17日、規制基準に適合しているとする「審査書案」を了承した。乾式貯蔵との併用を前提に貯蔵プール内の核燃料の間隔を詰めて保管量を増やす「リラッキング」には着工しており、九電は二つの使用済み核燃料対策で稼働年数が約14年延びるとしている。

 乾式貯蔵施設は、使用済み核燃料を特殊な金属容器(キャスク)に入れて空気の流れで冷やす仕組み。計画では正門近くに整備し、2027年度に運用を始める。

 九電によると、施設は鉄筋コンクリート1棟で、建屋の面積は約3千平方メートル、高さは約30メートル。キャスク40基分(1基に21体か24体を収容)の容量があり、使用済み核燃料は最大960体貯蔵できる。既存の貯蔵プールで15年以上冷却した使用済み核燃料を施設に移す。工事費は約290億円。

 審査書案を了承した規制委は「技術的に新しい点はない」として、九電の乾式貯蔵施設に関する意見公募(パブリックコメント)を実施しないことを確認した。今後、原子力委員会、経産相の意見聴取を経て正式な許可となる。

 24年度の工事完了を目指すリラッキングでは、3号機の貯蔵プールの容量が622体分増えて1672体になる。乾式貯蔵とリラッキングで、貯蔵容量は最大1582体分増える。

 使用済み核燃料は1月末時点で、3号機に730体、4号機は1156体を貯蔵している。九電は、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場に搬出できなかった場合、約3年後に貯蔵プールが満杯になると試算している。(山口貴由、岩本大志)

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