モーツアルトの「ピアノ協奏曲第23番」を演奏する日本フィルハーモニー交響楽団(ピアノは植田伸子さん)=佐賀市文化会館

「第46回九州公演は、後世に語り継がれる公演になるだろう」と語る日本フィルハーモニー交響楽団の後藤朋俊常務理事=佐賀新聞社

 第46回日本フィルハーモニー交響楽団九州公演の佐賀公演が8日、佐賀市文化会館で開かれた。コロナ禍で開催が危ぶまれていたが、感染防止対策を講じて実施。ソリストに佐賀市のピアニスト植田伸子さんを迎え、約600人の観客が念願かなって実現した再会に大きな拍手を送った。

 通常約80人のところを、22人の小編成オーケストラで演奏した。植田さんは少女のような軽やかさで、管弦楽団と音での会話を楽しませた。観客らは家族的な雰囲気で楽団を迎え、音楽の波に身を任せる生演奏の感動を堪能していた。

 昨年、日本フィルは約150のオーケストラ公演を予定していたが、コロナ禍で昨年2月から8月までに約70公演が中止に。年間約9億5000万円を見込んでいた演奏料収入は約3億5000万円にまで落ち込んだという。

 1975年に始まり、例年10公演あった九州公演も今年現地で催すのは佐賀の2カ所のみになった。

 日本フィル常務理事で、85年から2015年までヴィオラ奏者として在籍していた後藤朋俊さん(59)は「佐賀市文化会館は響きの素晴らしさがトップクラス。われわれのホームグラウンド」と強調し「唐津市民の協力で1982年に作った交響詩『まつら』は、85年に欧州でも演奏した思い出深い曲」と佐賀への思い入れを語る。

 後藤さんは生演奏の魅力を「その時だから生み出せる音があり、それは一つの芸術作品」とし「皆さんには今回の危機にも熱い応援をいただいた。感謝の思いを詰め込んだ演奏を届けたい」と力を込めた。

 日本フィルは25日午後6時半から唐津市民会館でも公演。父が唐津市出身の坂本リサさん・彩さん姉妹が「2台のピアノのための協奏曲」でソリストを務める。指定席4000円、自由席3500円、高校生以下自由席2000円。問い合わせは唐津日本フィルの会事務局、電話080(3909)1155。(花木芙美)

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