学力低下がいわれていた頃、「分数の計算ができない大学生」という言葉が使われた。本当だろうか。きのうの本紙に佐賀大学2次試験(後期日程)の問題が載っていた。数学を見た。うーん難しい。これを解ける人が分数の計算をできないとは思えない◆筆者は高校の数学で挫折したが、何を問いかけているのかを考えるのは好きだった。たまに「a=b、b=c、だからa=c」と三段論法のように解ける快感。数学が論理的思考を養うといわれる理由だろう◆数字と数学は奥が深い。明快に答えが出る一方で「無理数」という概念がある。円周率はその一つ。3・1415…とどこまでも続く。平方根もそう。1・4142と続く2の平方根を「ひとよひとよに」と覚えたなあ。アルキメデスやピタゴラス、日本では和算の関孝和(せき・たかかず)ら偉大な数学者がいたから私たちは「公式」に当てはめて答えを求められる◆ただ、分数の計算も通常は「通分」するが、野球の打率は分母の打数と分子の安打数同士を単純に加算する。何が求められているか見極める。数学に限らず、日常の仕事にも必要な姿勢だろう。正解は一つではなく、結果の出し方も幾通り◆きょう3月14日は前述の数字から「円周率の日」と「数学の日」。電卓に頼らずたまには筆算をしよう。学力も仕事も、「公式」は一つ一つの積み重ね。(義)

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