左が吉野ケ里遺跡、右が大友遺跡から出土した人骨を元にした復顔像=吉野ケ里歴史公園センター

講演する佐賀大学医学部の川久保善智助教授(右)=吉野ヶ里歴史公園センター

 吉野ヶ里町の吉野ケ里歴史公園センターで6日、遺跡から出土した人骨から生前の顔立ちを復元した復顔像に関する講演会が開かれた。肌の質感までリアルに再現された復顔像2点が初めて公開され、集まった歴史ファンら約50人が弥生時代に思いをはせた。

 吉野ケ里遺跡と大友遺跡(唐津市呼子町)から発掘された、弥生時代の40~50代とみられる男性の人骨から復元した2点を公開。吉野ケ里遺跡の像には顔立ちが平たんな渡来系弥生人の特徴が、大友遺跡の像には彫りが深い西北九州弥生人(在来系弥生人)の特徴が色濃く表れている。遺跡から出土した人骨の復顔を行うのは県内で初めて。

 復顔像製作を主導した佐賀大医学部の川久保善智助教は、平野部では中国や朝鮮半島から日本へ稲作技術を伝えた人々の遺伝的情報が拡散し、稲作に適さない山が多い地域などで縄文人の形質が残ったことを解説。復顔にあたって蒙古(もうこ)ひだや目元の色素沈着までこだわったことなどを語った。

 東京大総合研究博物館の米田穣教授は、吉野ケ里の人骨9点を分析して当時の食生活を調査した。結果を紹介し「周辺遺跡の状況から米を相当食べているだろうと予想していた。海産物も食べていたのは予想外」と驚きを語った。

 鳥栖市の柴田健太郎さん(36)は「縄文人に似た顔立ちの弥生人がいたことに驚いた。自分のルーツがどこなのか知りたくなった」と笑顔を見せていた。

 復顔像2点は元となった人骨とともに、21日まで吉野ケ里歴史公園内の展示室で展示する。観覧は無料、駐車場代と入園料が別途必要。(花木芙美)

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