「九州北部しんきん事業承継ネットワーク」を立ち上げた佐賀、福岡、長崎の13信金の代表者たち=福岡市中央区の福岡信用金庫

 中小企業の事業承継が社会問題化する中、佐賀、福岡、長崎の13信用金庫が11日、情報共有のためのネットワークを立ち上げた。九州北部地区に展開する201におよぶ店舗網を生かして近隣地区での第三者承継などを後押しし、地域の経済的活力や雇用が損なわれないようにする。

 名称は「九州北部しんきん事業承継ネットワーク」で、佐賀県内からは九州ひぜん、佐賀、唐津、伊万里の4信金が参加する。全国的にも三つの県をまたぐエリア単位での連携は初めてという。信金中央金庫と、その子会社の信金キャピタルも参加し、体制整備や業務支援を担う。

 具体的には、13信金がそれぞれの取引先の企業に、譲る側と引き継ぐ側双方のニーズを聞き取り、信金業界専用の事業承継プラットフォームに情報を代理で登録する。そのデータベースを基に信金の担当者が候補先を提案する。このほか、事業承継に関する企業や信金職員向けの研修・セミナーを共同実施し、外部の専門家を相互に紹介し合う。

 13信金の取引先は個人事業主を除くと約2万8千社あり、各信金は従来も取引先の事業承継を助けてきたが、単独では引き継ぎが困難なケースもあった。ネットワークによる規模拡大で信金以外の金融機関への顧客流出防止にもつなげる。

 経営者の高齢化と新型コロナウイルスの感染拡大で、黒字でも廃業を選ぶ企業が増えることが懸念されている。佐賀県信用金庫協会の松永功会長(九州ひぜん信用金庫理事長)は「雇用や経済のためにも地域の企業を減らさないのが一番で、そのためには事業承継が絶対に必要。ネットワークを生かし、中小や零細の企業、個人事業主に寄り添いたい」と話した。(大橋諒)

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