女性が経営する県中部のカラオケ喫茶の内部。長いすには間仕切りが設けられ、来店者が歌う奥の舞台の前にも透明のアクリル板がある

 佐賀県内のカラオケ喫茶で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が相次ぎ、関連の感染確認が続いている。山口祥義知事は8日の県対策会議で「県内外を問わず当面、利用を控えて」と呼び掛けた。一方で、佐賀新聞「こちら さがS編集局」には、県内のカラオケ喫茶の経営者から「今は仕方ないけれど、自粛の呼び掛けだけでなく、店がどう対策をするべきなのか示してほしい」との声が寄せられている。

 県中部でカラオケ喫茶を25年営む女性は、県内のカラオケ喫茶でクラスターが確認された直後の2月後半から、自主休業している。休業前も新聞やネットで情報を集め「できる限りの対策を取っている」と話す。

 女性の店の来店者は、自らが主宰する歌謡教室の生徒で60~80代が中心。教室に合わせて週1、2回訪れ、4時間ほど滞在する。来店者は座席で曲をリクエストし、店内のステージに立って歌う。営業時間は午後1時~同11時だが、休業していなかった時期も感染拡大を受けて午後6時に閉店することが多かった。

 店内は長いソファを特注の透明なアクリル板で仕切り、座席数は以前のほぼ半分にした。窓はないが1時間おきに15分ほど入り口を開放し、扇風機も使って空気を入れ替える。

 歌う人にはマイクカバーを渡し、店を出るときに捨ててもらう。ステージ上もマイクの前にアクリル板を設置し、飛沫の拡散を防ぐ。入店時の体温測定と手指消毒はもちろん、初めての客には住所や連絡先の記帳を呼び掛ける。

 カラオケ喫茶はカラオケボックスと比べ、年齢層が高く、多人数で利用する傾向がある。県の発表によると、2月19日から3月9日までの感染者119人のうち、カラオケ喫茶関連は73人で6割以上を占める。

 県は、カラオケ喫茶の利用自粛を呼び掛けた8日の対策本部会議を前に「店の営業を止めるか、利用を止めるか、徹底的に議論した」とする。営業を止めても県外の店に行ったり、自宅に集まったりするケースも想定され「利用を控えるよう呼び掛け、積極的疫学調査を進めることで、クラスターの広がりを防ぐことを重視した」としている。

 女性は「カラオケを楽しみにする年配の人は多い」と話し、「給付金などの支援も大切だけど、国や県は効果のある対策を示してほしい」と訴える。(石黒孝、栗林賢)

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