佐賀豪雨を受けて集まり、被災地の情報を共有する佐賀災害支援プラットフォームの関係者=2019年9月、佐賀市の佐賀商工ビル

 佐賀県南部を中心に大雨に襲われた昨年7月、ボランティアなど約50団体で構成する「佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)」が現地へ向かった。聞き取り調査をしながら浸水した建物の片付けなどニーズを把握し、支援活動に延べ100人以上が関わった。

 SPFは東日本大震災直後の11年4月、被災地の支援活動のためにいち早く立ち上がった「佐賀から元気を送ろうキャンペーン」が前身となる。その発足時から携わり、現在はSPFの委員長を務める岩永清邦さん(37)は「震災を機に災害支援が大きく変わり、試行錯誤を続けてきた10年だった」と振り返る。

 ▽当事者意識

 「東北のために何かできないか」。当時は津波や東京電力福島第1原発事故など未曽有の大規模複合災害の惨状が繰り返し報じられ、県内でも支援への機運が高まった。キャンペーンでは各団体のネットワークを生かし、募金や物資の提供、被災地へのボランティア派遣など幅広く事業を展開して延べ約1万人が何らかの形で関わった。

 被災地入りした岩永さんは、家屋などが流された沿岸部や行方不明者の捜索現場、大量のがれきなどを目の当たりにした。想像もできなかった被害の甚大さに衝撃を受けた。「それまで災害は無意識に人ごとと思っていたことを痛感した。震災から、当事者意識を強く持つようになった」

 震災から5年後の16年4月、熊本地震が発生した。キャンペーンは終了していたが、一緒に活動してきた仲間同士で地震の直後から連絡を取り合って支援に乗り出した。物資の調達や被災地派遣、情報発信など役割分担をしたり、現地と情報交換しながらおむつや下着など不足している物資だけをSNS(会員制交流サイト)で募ったりした。

 「不要な物資が集まるなどした震災の反省点が教訓になった。各団体のつながりができて得意な活動を把握していたこともスムーズな支援につながった」と岩永さん。定期的に防災関連の勉強会を重ね、18年にSPFを設立した。災害時にいち早く活動ができるよう、自治体とのさらなる連携強化も進めている。

 ▽安心できる場

 東日本大震災の支援の輪は息長く続いてきた。避難してきた親子の心のケアにつなげようと、西九州大は11年6月から交流スペース「ほっとひろば」を開設した。子どもたちが学生と一緒に遊びながら保護者だけで語り合う場を提供し、専門性を生かして個別の相談にも対応してきた。

 開設時から関わる子ども学部心理カウンセリング学科の池田久剛教授は「同じ避難者同士で共感したり、悩みを話したりすることができる。支援がなくても自分で歩んでいけるよう寄り添ってきた」と話す。

 新型コロナウイルスの影響を受けるまで8年半にわたって180回開催し、延べ1679人が参加した。ほっとひろばは役割を果たしたと判断し、震災から10年の節目に延期になっている最終回を予定している。(山本礼史)

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