原発に反対する市民団体が国や九州電力に対して、玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の原子炉設置変更許可の取り消しや運転差し止めを求めた訴訟の判決が12日、佐賀地裁(達野ゆき裁判長)で言い渡される。地震動や火山の噴火の評価などを争点に玄海原発稼働の是非が問われる。

 裁判を提起しているのは、佐賀県などの住民らでつくる「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(石丸初美代表)。争点は(1)基準地震動の評価(2)火山の巨大噴火の可能性(3)玄海原発内の配管の強度(4)重大事故対策―の大きく4点になる。

 耐震設計の目安になる揺れ「基準地震動」の評価について、九電などは地震のデータ53個のうち日本のデータは4個、原告側は10個全てが日本のデータの経験式をそれぞれ用いている。原告側が計算する基準地震動(880ガル)は、九電が試算する基準地震動(620ガル)を上回る。

 原子力規制委員会の審査ガイドには「経験式が有するばらつき」を考慮することが規定されている。その上で原告側は「九電はばらつきを考慮しておらず、過小評価」と強調する。

 昨年12月、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡った大阪地裁での訴訟では「ばらつきの考慮」が不十分とし、国の原発設置許可を違法として取り消す判決が出ている。

 火山の巨大噴火の可能性に関して、原告側は「阿蘇カルデラの破局的噴火で、火砕流が原発敷地に到達する可能性があり、立地不適」などと九電の想定を否定。九電などは阿蘇カルデラなど五つのカルデラの噴火間隔などを評価し「破局的噴火を起こす可能性は低い。発電所の安全性に影響を及ぼす可能性は低いと認識」と主張する。

 このほか、原告側は、配管の強度が超音波探傷検査をせずに安全性が立証されていないことや、重大事故発生時に放射線汚染水が海に流れ出る懸念などを指摘。九電などは、配管の設計や管理を適切に実施していることや、新規制基準に則した重大事故への対策を講じているなどと反論している。(小部亮介)

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