災害続発で防災対策の重要性が高まる一方、自治体の一部は十分な体制を整備できていない実態が7日、明らかになった。共同通信のアンケートに対し、全国市区町村の20・5%は、防災の仕事に専従する職員が存在しないと回答。専従1人も14・1%あった。慢性的な人手不足が背景にあり、選挙や交通安全などの担当者が掛け持ちでカバーしている。災害はどこで発生するか分からず、全国的な底上げが不可欠だ。

 昨年10~12月、災害から住民の命を守る手だてを定めた「地域防災計画」の作成や、避難情報の発令などを担当する部署に所属し、防災業務に専従している職員数を尋ねた。回答したのは1469市区町村。2~5人が41・5%、6~10人が15・4%で、11人以上は8・2%だった。

 専従職員が不在か1人なのは計508市町村。兼務を含めれば3~4人の職員を確保できているケースが多かったが、82・3%は防災担当が「不足している」「やや不足している」と答えた。

 専従1人の徳島県上勝町は「1人でほぼ全部を担っており、人事異動があると後任者はほとんど何も分からない状況で進めなければならない」と説明。専従がいない千葉県長南町は「各種計画やマニュアルの策定まで手が回らない」とした。

 専従職員の不在は小さな町村に目立ち「防災は経験が必要な部署で、職員の確保が難しい。小規模自治体では限界がある」(長野県中川村)などの声が聞かれた。

 東日本大震災以降、国はさまざまな種類の防災計画作成を求めており、自治体の業務は増大している。このため専従が2人以上いる957市区町村でも、70・8%が職員不足を訴えた。

 専従9人体制の群馬県館林市は「災害の多発で頻繁に法改正があり、その都度、各種計画を見直さなければならない」と指摘した。【共同】

 

■佐賀県内15市町「5人以下」

 佐賀県内の市町で防災関連業務にあたる専従職員は、唐津市9人、佐賀市8人などで、回答した17市町のうち15市町は5人以下だった。兼務を含めた職員数は鳥栖市20人、唐津市15人、武雄市10人などとなっている。佐賀市は、兼務について災害の規模によっては全員で対応することから「全常勤職員」と回答。有田町は専従職員はいないが、兼務の職員が5人となっている。

 職員の充足状況については、13市町が「不足している」「やや不足している」と回答。嬉野市と三養基郡基山町が「おおむね足りている」と答えた。

 負担が大きいと感じる業務については、人員が少ない中で防災関連の計画の策定、改訂に時間がかかることを挙げる市町が多かった。業務が多岐にわたるため、関係部署、機関との協議や、国や県などからの照会が多いことを指摘する声もあった。

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