春の光を浴びてきらめく川が、まぶしい黄色に包まれながら佐賀平野を流れていく。小城市小城町の晴気川の土手がいま、一面の菜の花に染まっている。
菜の花は牛尾(うしのお)梅林東側に架かる門前橋付近から、下流数キロにわたって咲き乱れている。飛び交うミツバチは体を黄色い花粉だらけにして蜜を吸うのに夢中だ。
門前区の岩村孝史区長(70)は「地域で種をまいたことなどないと思う。菜の花はどこにでも咲くし、特に名所というわけではないよ」と言う。毎年恒例の牛尾梅林の梅まつりは、昨年に続き新型コロナウイルスの影響で中止になっており「この時期はシャトルバスが出るほど人が来ていた。梅や菜の花を見るだけでも来てくれるといいね」と笑みをこぼした。(志垣直哉)